鍼灸治療は、中国三千年の伝統と独特の臨床、経験療法であり、
鍼や灸で生体に一定の機械的刺激を与え、それによって起こる生体反応を利用し、効果的な治療、疾病の予防及び、生活機能の変調の矯正をめざす東洋治療法です。
疾病がどの部位、どの臓腑、どの経絡(ツボが並んでいる線路で栄養を運ぶ道です)を探し、病気の原因を追究してその「ツボ」に刺激する事によって、
生体に備わった自然治癒力を賦活させる治療方法です。
■東洋医学には主たる診断方法に四診(ししん)があります。
四診とは望診・聞診・問診・切診の四つの診察法です。
①望診(視覚による診察法で顔色、姿勢を診ます。)
②聞診(聴覚、嗅覚による診察法で話し方や声の高さ、体臭や口臭の様子を診ます。)
③問診(問いかけと応答により病態を診察します。)
④切診(触覚により、手でお腹と脈を触診し身体全体の状態を診ます。)
これらによって、局所にとらわれず身体全体や精神状態も注意深く観察して、患者さんの来院時より治療を始めております
東洋医学は陰陽五行論に基づいた医学です。
これは、すべての現象を陰陽の二つに分け、
木・火・土・金・水の五気(五行)によって支配されているという考え方です。
陰陽も、五行もそれぞれの要素が単独で存在しているわけではなくお互いに密接に関わりあっています。
また、人間の生命体を大自然(大宇宙)の一環としてとらえ、人体は小自然(小宇宙)であり、人体の臓器や器官などは、みな異なった機能をもちながら、同時に全体としてのつながりをもった一つの自然(宇宙)のような統一体をなしているとみています。
鍼灸は、これらの考え方を基にしており、人の持っている自然治癒力を高め、心身のバランスを整える治療です。